書店員さんに聞いてみた!今あなたに読んでほしい「お金の本」

異国の言葉から、生き方・働き方を問い直す。神保町・韓国書籍専門店が選ぶ、今こそ読みたい「お金の本」

TAGS.

社会を支える12人の仕事 生々しい言葉で「韓国の今」を聞く

今回は「お金の本」というテーマをいただきましたが、お金そのものというよりは、「働くこと」や「仕事」という視点から考えさせられる3冊を選んでみました。

1冊目は、『韓国の今を映す、12人の輝く瞬間』。

セウォル号の沈没現場で遺体の引き上げ作業に尽力した潜水士、不眠不休で救急医療に向き合い続ける医師、映画監督、歴史研究者――韓国のジャーナリストによる新聞連載をまとめたインタビュー集で、現代の韓国社会を映し出す多様な場所で働き、生きる人たちが取り上げられています。

『韓国の今を映す、12人の輝く瞬間』(イ・ジンスン:著、伊東順子:訳 / クオン)

メディアで見える部分、観光客として触れる部分だけでなく、人々の生々しい言葉を通して韓国社会のリアルを知ることができる一冊です。

韓国の現状を通し「では、日本はどうだろう?」と自分たちに照らし合わせて考えるきっかけになるはずです。翻訳者であるジャーナリスト・伊東順子さんは、『82年生まれ、キム・ジヨン』の解説も書かれている方。各インタビューに合わせ、社会背景や日本との関係を補足するコラムも読み応えがあって素晴らしいです。

名刺を持たない彼女たちの「ありふれた仕事」

2冊目は『私たちに名刺がないだけで仕事してこなかったわけじゃない 韓国、女性たちの労働生活史』です。

〈私たちが出会った女性たちは、名刺がないと言っていた。仕事を休んだことは一度もない。社会が彼女たちの労働を「仕事」として認めてこなかっただけだ。〉(プロローグより)

『私たちに名刺がないだけで仕事してこなかったわけじゃない 韓国、女性たちの労働生活史』(京郷新聞ジェンダー企画班:著、すんみ・尹怡景:訳 / 大和書房)

タイトルの通り、名刺を持たずに労働の現場を支えてきた女性たちの言葉を集めた1冊。ほんの数十年前なのに、現在と比べて女性の地位そのものや働く環境がいかに厳しい状況だったか、そのような価値観が当たり前の社会だったか、と驚かされます。

家事をはじめとした“名刺がない”労働の価値が低く見られがちだったのは日本も韓国も同じですが、そうした社会の課題をノンフィクションとしてしっかり記録し、次の世代へ考えるために残していこうという強い意志を感じる1冊です。

働くこと、稼ぐこと、生きること。そして、女性たちの生き様について。改めて問い直される作品です。

お話を伺った方
佐々木 静代
大学卒業後、エレクトロニクス情報誌出版社勤務。専業主婦時代を経て、サンケイリビング新聞社に入社後、ユーザー向け公式サイト(旧えるこみ)編集長を10年務める。2015年、株式会社クオンが運営する韓国文学専門書店「CHEKCCORI」の立ち上げに参加。

現在クオンならびにCHEKCCORIの宣伝広報を務めるかたわら、一般社団法人 K-BOOK振興会の事務局長と、K-BOOKフェスティバル事務局長を兼務する。

K-BOOKを紹介するPodcast「K-BOOKらじお」を毎週金曜日に配信中。

◆CHEKCCORI(チェッコリ)
住所:千代田区神田神保町1-7-3 三光堂ビル3階
著者/ライター
町田 晴
1989年生まれ。ビジネスからエンタメまでインタビュー取材を主にこなす。ミステリー小説とノンフィクションが好き。書店に行くと本だけでなく、文房具コーナーでもつい何か買ってしまうタイプ。

"※必須" indicates required fields

設問1※必須
現在、株式等(投信、ETF、REIT等も含む)に投資経験はありますか?
設問2※必須
この記事は参考になりましたか?
記事のご感想や今後読みたい記事のご要望などをお寄せください。
(200文字以内)

This site is protected by reCAPTCHA and the GooglePrivacy Policy and Terms of Service apply.

注目キーワード