書店員さんに聞いてみた!今あなたに読んでほしい「お金の本」
異国の言葉から、生き方・働き方を問い直す。神保町・韓国書籍専門店が選ぶ、今こそ読みたい「お金の本」
誰もやらないなら私が!商いのワクワクを伝える1冊
3冊目には、チェッコリの代表でもある金承福(キム・スンボク)の著書『本を作るのも楽しいですが、売るのはもっと楽しいです。』をご紹介させてください。

吉本ばなな『キッチン』で日本文学に出会い、留学を経て、日本の広告代理店で働いていたキム。日本の読者にも韓国の文芸作品を知ってほしい、と多くの出版社に翻訳を打診しますが「翻訳小説は売れないから」と一蹴されてしまいます。「やってもないのに決めつけるのはおかしい」「誰もやらないなら」と、ノウハウもなく立ち上げた出版社が、チェッコリの母体でもあるクオンです。
今こうして韓国文学の世界が日本で花開いているのは、それ以前から地道に交流や出版を支え続けてきた方々の歴史があるから。この本では、海を越えた人と人とのつながりから新しいものが生まれていく裏側が描かれています。
チェッコリとクオンのような小さな書店・会社がやってこられたのは、多くの人を巻き込み、力を借りてきたからこそ。人を巻き込むキムの明るいパワーと、本の販売に留まらず、イベントなども通じてお客様に情報を届け続けるという「商い」の基本が詰まっていてワクワクできるはずです!
10年間変わらない、お客様から一番多い質問
店頭に立っていてお客様に一番よく聞かれる質問は、開店当初から10年間変わりません。「私でも読める韓国語の本はありますか?」。
チェッコリのお客様の約9割は日本語圏の方なのですが、韓国に関心を持ち、韓国語を勉強中の方がとても多い。だからこそ、単に本を売るだけでなく文化の窓口になる、「会話する本屋」としての役割を大切にしています。
チェッコリ店内はイベントスペースとしても積極的に提供しており、来日した作家が読者と交流したり、韓国のカルチャーを学んだりできる場として年間80本ほどのイベントを開催しています。文学に限らず、映画や音楽、歴史、食などテーマはさまざまです。
弊社の刊行物でなくとも、K-BOOKを盛り上げようとしている人たちはみんな仲間! 他の出版社さんの本のPRをお手伝いすることも多く、人が交わり、出会う空間として機能していることに大きな意義を感じています。
これからも「ここにしかない」独自性を大切にしながら、本を通じた新しい出会いや韓国カルチャーの魅力を提案していきたいと思っています。神保町にいらした際は、ぜひ遊びに来て、気軽に話しかけてくださいね。
現在クオンならびにCHEKCCORIの宣伝広報を務めるかたわら、一般社団法人 K-BOOK振興会の事務局長と、K-BOOKフェスティバル事務局長を兼務する。
K-BOOKを紹介するPodcast「K-BOOKらじお」を毎週金曜日に配信中。
◆CHEKCCORI(チェッコリ)
住所:千代田区神田神保町1-7-3 三光堂ビル3階



