ニッポン、新時代

株価20倍の成長銘柄を発掘したノウハウ

これからは利益成長が市場を動かす インベスコ・アセット・マネジメント 服部幸博氏が占う「日本の中小型株」の行方

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将来の大型株を探す「3つの視点」

インベスコが提供している投資信託の1つに、「インベスコ 店頭・成長株オープン」がある。1993年に運用を開始しており、服部氏は、2018年からファンドマネージャーを務めている。

この投資信託には、運用開始から一貫して受け継がれてきた投資哲学がある。「BUY Small Today, but Big Tomorrow」。今日小さくても、明日大きくなるものを買おう――。この考えに沿って、ファンドの投資銘柄が選定されている。

具体的には、継続的な高い利益成長によって、これから「企業規模を拡大させていく」と見込まれる企業に中長期で投資していく。将来、大型株へと成長するような企業を市場に先駆けて発掘し、長いスパンで資金を投じていく形だ。

狙うのは、中小型株が大型株に成長していく局面。そのタイミングを見極め、集中投資していく。

「なぜなら、この局面こそが企業のライフサイクルでもっとも利益成長するフェーズであり、同時に、株式市場でもっとも脚光を浴びる、つまり株価の上昇が期待できる局面だからです」

株式投資で重要な指標とされるのが、EPS(1株当たり利益)とPER(株価収益率)である。中小型株が大型株に成長するフェーズでは、企業の利益が大きく伸びることで、EPSが向上する。それにともない、株式市場からの注目が高まり、PERも上がっていく。EPSとPERが両輪で伸びるため、株価が上がりやすくなる。

とはいえ、中小型株は数多く存在する。その中から、将来大きく成長する銘柄をどう見つけるのか。服部氏は、3つの視点を重視しているという。

1つ目は、「潜在需要の大きさ」だ。

「たとえば防衛関連の銘柄なら、今後予算が増えて市場が広がっていく可能性があります。AIもそうです。ChatGPTの登場以降、関連銘柄への投資が急速に広がりました。企業を見る時には、その製品やサービスに対する需要が今後どれだけ大きくなるのかを考えます」

2つ目は、「競争優位性」だ。ブランド、顧客基盤、技術力など、他社にはない強みを持つ企業を探していく。

「一言で表現するなら、その企業が『唯一無二』かどうかを見ていきます。簡単に真似できない、あるいは、他社と横比較することすら難しい存在なのか。野球でいえば大谷翔平選手ですよね。投手としても打者としても一流で、誰かと単純に比べることができません」

唯一無二の企業、そのわかりやすい例として服部氏が挙げるのは、圧倒的なシェアを持つ企業だ。仮にトップ企業のシェアが50%、2位が45%なら、必ずしも唯一無二とは言い切れない。一方で、特定の市場で80%、90%といった圧倒的なシェアを持っているなら、その背景には技術力や顧客基盤など、他社が簡単には追いつけない理由がある可能性が高い。

あるいは、複数の強みを持つ企業も、その掛け合わせで唯一無二になり得る。

「1つの強みだけなら競合がいても、別の強みをもう1つ掛け合わせることで、他社にはない存在を見つけられることがあります」

3つ目の視点は、「経営者」に注目すること。どのような企業を目指しているのか、服部氏は経営者との直接対話で考えを確認し、成長可能性を判断している。

こうした形で、一社一社の技術や競争力を調べながら、投資先を選定するという。

著者/ライター
有井 太郎
ビジネストレンドや経済・金融系の記事を中心に、さまざまな媒体に寄稿している。企業のオウンドメディアやブランディング記事も多い。読者の抱える疑問に手が届く、地に足のついた記事を目指す。

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