ポイントは「年代」と「NISAとのバランス」
2026年12月「iDeCo改正」で老後資金の備え方は変わるのか…?
20~30代は「NISA優先」、40~50代は「NISAとiDeCoを併用」
他国と比べると枠が小さいとはいえ、これまでと比較すると、第2号被保険者の拠出限度額は月額で最大4万2000円の増額となる。これを機に、iDeCoを活用する人は増えるのではないだろうか。
「今回の改正を機に一気に増える可能性もないとはいえませんが、現実的にはあまり増えないかもしれません。というのも、これはNISAのデータですが、金融庁が公表している『NISA口座の利用状況調査(2025年12月末時点)』を見てみると、1カ月当たりの買付額の全年代平均は1万8000円となっているのです。買付額がもっとも高い30代でも平均2万4000円なので、上限が上がったからといって急激に利用状況が変化するとはいえないでしょう」
また、60歳まで積み立てた資産を引き出せないiDeCoと比べて、いつでも引き出せるNISAの需要が高い。そのため、「特に若い世代においてはNISAのほうが優先される」と、頼藤さんは話す。
「NISAは加入可能年齢の上限がないうえに、いつでもお金を引き出せるので、老後資金だけでなく余暇資金や教育資金も備えやすく、全世代が活用しやすい制度といえます。特に20~30代だと投資に割ける金額が少なく、近い将来にお金が必要になる可能性もあるので、NISA優先となるでしょう。月1万円ずつを40年間積み立て、年4%で運用することができれば、元本480万円が1182万円に増える計算になります」
一方、ある程度収入が増えてきて、老後も少しずつ見えてくる40~50代になったらNISAとiDeCoを併用するのがいいとのこと。
「NISAとiDeCo、それぞれの割合は投資に回す金額や年収に応じて考えていくといいでしょう。『投資金額月3万円以下』または『所得税率が5%または10%』の人はNISAに1万5000~3万円、iDeCoに0~1万5000円という配分が理想的です。『投資金額月5万円以上』または『所得税率が20%以上』の人はiDeCoに40~50%、残りをNISAで投資すると考えてみましょう」
ある程度収入が上がってからiDeCoを活用するのは、余裕資金が生まれるからという理由だけではない。先ほど頼藤さんが話してくれたように、iDeCoには所得控除の効果もあるからだ。
「iDeCoの掛金全額が所得控除の対象になるため、所得税や住民税を抑えることができます。年収が高いほど所得税率が上がるので、所得控除の効果も大きくなるというわけです。節税で浮いたお金をNISAに回すという考え方もできるので、お金に余裕があるのであればiDeCoを使わないのはもったいないでしょう」

