かぶオプコラム

【1年で学ぶ かぶオプ投資術】第7回:カバード・コールに「保険」をプラス!米中間選挙を前に考えるかぶオプ戦略

提供元:株式会社シンプレクス・インスティテュート

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【1年で学ぶ かぶオプ投資術】第6回:高配当銘柄の利回りをさらに高めるお得な戦略

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これまでの連載では、保有株のコールを売る「カバード・コール」や、買いたい株のプットを売る「ターゲット・バイイング」をご紹介してきました。少しかぶオプに慣れてくると、「ほかにも使い方はないの?」と思うかもしれません。

実は、かぶオプには、複数のオプション取引を組み合わせることで、自分の相場観に合わせた投資戦略を作れるという面白さがあります。例えば、カバード・コールでプレミアムを受け取りながら、株価の下落に備える「保険」も付けられたらどうでしょうか。今回は、そんな組み合わせ戦略を考えてみたいと思います。

そこで、目前に迫った米国の中間選挙を考えてみましょう。2026年11月3日(米国時間)には、米国で中間選挙が行われます。中間選挙は大統領の任期途中に実施される選挙で、下院の全議席と上院の約3分の1が改選されます。その結果によっては、トランプ政権の今後の政策運営にも影響が及ぶ可能性があります。米国の政治の変化は、日本の株式市場にも影響します。

では、中間選挙を前に株価は上がるのでしょうか。それとも下がるのでしょうか。過去の米国株の動きを見ると、中間選挙のある年には、選挙の約1か月前から株価が上向く傾向があるともいわれます。ただし、今回も同じように上昇するとは限りません。

足元では、選挙以外にも材料が山積みです。物価上昇への警戒感や米国の長期金利の動向が株式市場に影響を与えています。また、これまで株価上昇をけん引してきたAI関連銘柄についても、データセンターへの巨額投資がどこまで収益に結びつくのか注目が集まっています。さらに、トランプ政権の対ロシア政策やウクライナ支援をめぐる動きは、エネルギー価格や国際情勢の先行きにも関わります。つまり、選挙以外にも株価を左右する要因は数多くあり、相場の先行きを見通すのは簡単ではないのです。

このような状況で、どのような投資戦略を選ぶかは、相場観によって変わってきます。例えば、株価が大きく上昇すると考えるなら、株式をそのまま保有するのも一案です。一方、上昇を期待しながらも下落が心配なら、プットを買って保険をかける方法もあります。

では、「株価が大きく上がるとは思わないけれど、株は持ち続けたい。ただし、予想に反して大きく下落することは避けたい」という相場観の場合はどうでしょうか。

そんな相場観に合う選択肢が「カラー戦略」です。1.株式を保有したうえで、2.コールを売り、3.プットを買います。コール売りで受け取ったプレミアムを、プット購入費用の一部または全部に充てる仕組みです。これは、カバード・コールに、下落への備えとしてプット買いを追加した形で、

カラー戦略 = カバード・コール + プット買い

となります。

コールを売るとプレミアムを受け取れますが、一定の価格より上の値上がり益は手放すことになります。一方、プットを買うと、株価が下落しても決めた価格で株を売る権利を確保できます。つまり、値上がり益の一部を諦める代わりに、株価下落による損失を一定の範囲に抑えるという考え方です。

具体例として、かぶオプのマーケットメイク対象銘柄である三菱重工業(7011)を見てみましょう。同社は11月6日に決算発表も予定しており、中間選挙と合わせて気になるイベントが続きます。10月14日の株価終値は3,727円でした。

ここでは、以前に1株3,700円で購入した株式を100株保有しているとしましょう。株を選挙前に手放すつもりはないものの、イベントを控えて下落には備えたいと考えています。

中間選挙後に取引最終日を迎える11月限のかぶオプを、次の組み合わせで10月14日に取引した場合を考えてみましょう。

・権利行使価格3,900円のコールを売る@105円
・権利行使価格3,500円のプットを買う@64円

コール売りで1株につき105円を受け取り、プット買いで1株につき64円を支払うので、差し引き1株当たり41円、100株で4,100円の受け取りとなります。

では、このポジションの損益は満期時の株価によってどうなるでしょうか。

(1) 株価が3,800円まで上昇した場合
株の値上がり益は1株当たり100円。受け取ったプレミアム41円を合わせると、100株で14,100円の利益になります。

(2) 株価が4,200円まで大きく上昇した場合
権利行使価格3,900円のコールを売っているため、それを超える値上がり益は得られません。したがって、利益は100株で24,100円が上限となります。

(3) 株価が3,000円まで下落した場合
株式だけを保有していれば、100株で70,000円の損失です。しかし、今回は3,500円で売る権利があるため、プレミアムも含めた損失は15,900円に抑えられます。さらに株価が下落しても、満期時の損失はこの金額を超えません。

※株式の取得価格を3,700円と仮定しました。オプションのプレミアムは2026年10月14日のJPX立会市場における当日最終約定値を使用しています。同じ日に取引が成立した価格を組み合わせた参考試算であり、両方を同時にこの価格で売買できたことを意味しません。損益は取得原価を基準とした満期時の計算で、税金・手数料・配当等は考慮していません。

このようにカラー戦略では、利益に上限が設けられる一方、大幅に下落した場合の損失も限定できます。

もちろん、結果として株価が大きく上昇すれば、株式だけを保有していた方が有利だったということもあるでしょう。また、コール売りで受け取るプレミアムが、プット買いの費用を必ず賄えるわけでもありません。それでも、株式を持ち続けながら、ある程度の上昇余地を残しつつ下落に備えたい場合には、検討できる戦略の一つです。

株式投資というと、株価が「上がるか、下がるか」を予想するものと思われがちです。しかし、実際の相場観はそれほど単純ではありません。「上がるとしても、どこまで上がるだろうか」「下がるとしたら、どの程度だろうか」「その値動きはいつ頃起こりそうか」など、さまざまな見通しがあるはずです。

オプション取引の面白さは、権利行使価格や満期を選び、売りと買いを組み合わせることで、こうした細やかな相場観やリスクへの考え方を投資戦略に反映できるところにあります。もちろん必ず利益が得られるわけではありませんが、期待する利益や避けたいリスクに応じて投資の形を工夫できるのです。

今回のカラー戦略を通じて、単に株価の上昇・下落を予想するだけではない、かぶオプの世界の奥深さを少し感じていただけたのではないでしょうか。

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かぶオプ入門(2)|ターゲットバイイング
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かぶオプ入門(5)|コール買い戦略
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かぶオプ入門(6)|プット買い戦略
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(提供元)株式会社シンプレクス・インスティテュート

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