「まだ名前がついていない価値を見つける」
テンバガー達成のファンドマネージャー、ブラックロック・ジャパン 高山博樹氏が語る、日本中小型株投資の本質
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株価などが10倍に成長したことを意味する「テンバガー」。実は投資信託の中にも、テンバガーを達成した商品がある。その1つが、「ブラックロック日本小型株オープン」だ。日本の小型株を中心に投資し、1998年に運用をスタート。2025年に10倍に到達した。また最近、ファンド評価機関より日本中小型株部門で最優秀賞を受賞した実績を持つ。
この投資信託のファンドマネージャーを務めるのが、ブラックロック・ジャパン 運用部門 ファンダメンタル株式運用部長 中小型株運用チーム ディレクターの高山博樹氏である。同氏に投資の本質を尋ねると、「まだ名前がついていない価値に気づくこと」だと話す。日本株の運用を担うファンドマネージャーに取材する連載「ニッポン、新時代」。高山氏の投資哲学や、注目している投資テーマを聞いた。
感性とテクノロジーの「両輪」で回す運用スタイル
グループ全体で、13.9兆米ドル(約2,210兆円)の資産を運用するブラックロック(2026年3月末時点)。運用資産においては、世界最大の規模を誇っている。
このグループの日本法人、ブラックロック・ジャパンが提供している投資信託が「ブラックロック日本小型株オープン」である。1998年7月に、1万21円の基準価額で運用を開始すると、2025年6月には10万円を超えた。その後も成長を続けている。
「どうしても米国株に目が行きがちな昨今ですが、地道なリサーチを行い、リスク管理も徹底すれば、日本株も十分な成果を残せます。このファンドの実績は、それを証明するものになっているのではないでしょうか」
にこやかな笑顔を携えて、高山氏はそう話す。一体どのような投資手法を取っているのだろうか。高山氏は「派手な近道があるとは思っていません。一つずつ積み上げていくだけです」と口にする。
「投資とは、『まだ名前がついていない価値にいち早く気づくこと』だと考えています。そしてその価値に資金を投じていく。このために私たちが行うのは、ほかでもない地道な調査です。チーム全体で年間600件以上の企業取材を行っています」
足で稼ぐ調査に力を入れる一方、テクノロジーも活用している。ブラックロックでは、テクノロジーへの投資を積極的に行っており、その技術を運用に役立てているという。
「たとえばブラックロックには、個別銘柄の株価特性やポートフォリオ全体のリスクを“見える化”する独自のテクノロジーがあり、これらを活用しています。ローカルな視点での調査と、世界最大の運用会社が持つテクノロジーを“両輪”で使い、人の感性で見つけたアイデアを最先端のシステムで検証する。このスタイルが私たちの特徴になっています」
もう1つ、ファンドを運用する中で力を入れてきたことがある。それは、うまくいかなかった時の経験を次に生かすこと。失敗の原因をレビューし、同じ過ちを起こさないよう、投資プロセスを改善していく。その作業を続けてきたという。
「成功した時も同様です。うまくいったケースがあったなら、その要因を分析して、次もその方法を再現できるよう仕組みに落とし込んできました。中長期で安定してパフォーマンスを出すためには、アルファ創出の“リピータビリティ”の確保が重要と考えてきました。たとえば銘柄のスクリーニング(※)において、今回の成功につながった新たな方法があったなら、次もそれを実践できるよう、私たちのチームの銘柄抽出モデルに取り入れていきます」
※業績や各種指標をもとに、投資候補の銘柄を絞り込んでいくこと




