「口座数」「買付額」とともに「売却率」も上がっている!?

ニッセイ基礎研究所研究員が解説!「新NISA」はどのくらい使われているの?

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買付金額は「少額」と「高額」の二極化

口座数の増加に伴い、年間の買付額も2024年の17兆4000億円から2025年は18兆7000億円に増加。2023年以前と比べると、新NISAが始まった2024年から跳ね上がっていることがわかるが、この評価は難しいという。

NISA口座からの買付額(金融庁資料より作成)
出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態~利用状況調査:2025年12月末時点を踏まえて~」

「旧制度の一般NISA・つみたてNISAと新NISAが切り分けられた別の制度となっていることで、旧制度の資産を売却して新制度で買い直している層の影響もあると思います。また、新NISAの年間投資枠360万円をフルで使い、最短5年で枠を埋める計画の人もいるので、買付額が大きくなっているのだと考えられます。一般の資産形成層がどの程度の水準でNISAを利用しているのかという点を評価するには、新NISA開始から5年が過ぎた後の買付額がポイントになると思います」

旧制度を活用していた人や最短5年で枠を埋める計画の人など、ある程度資産に余裕がある人の影響は、「買付があった口座数」や「買付金額別の口座数」にも表れているとのこと。

買付があった口座数(金融庁資料より作成。口座数はすべて切り捨て。パーセントの数値は買付があった口座に占める割合)
出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態~利用状況調査:2025年12月末時点を踏まえて~」

買い付け金額別の口座数/全年代(金融庁資料より作成。口座数はすべて切り捨て。パーセントの数値は買付があった口座に占める割合)
出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態~利用状況調査:2025年12月末時点を踏まえて~」

「『買付があった口座数』を2024年と2025年で比べると、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が増加し、成長投資枠のみが減少しています。このことから、2024年は成長投資枠だけを使っていた層が、保有限度額をフルに使うためにつみたて投資枠も使い始めたのだと考えられます。『買付金額別の口座数』のNISA口座全体で『300万円超360万円以下』が9%を維持しているのもすごいことですが、これも余裕のある層がいるからでしょう」

成長投資枠、つみたて投資枠それぞれの「買付金額別の口座数」を見ると、少額の口座と高額の口座で二極化している。月数千~数万円を積み立てている層と、枠を使い切る層に分かれているということだろう。

「大切なのは、『フルで使っている人が9%もいるのに、それができない自分はダメなんだ』と思わないことです。お金はあったほうが幸せかもしれませんが、お金があるから必ず幸せになるとは限りません。そもそもNISAはまだ3割程度の人しか口座を開いていない制度ともいえるので、できる範囲で運用しているだけで十分です。データの背景を把握し、自分のペースで活用できるといいでしょう」

お話を伺った方
前山 裕亮
ニッセイ基礎研究所 金融研究部 上席研究員。大和総研、大和証券キャピタル・マーケッツ、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンを経て、2014年にニッセイ基礎研究所に入社。研究・専門分野は株式市場、投資信託、資産運用全般。資産運用に役立つ情報を発信している。
著者/ライター
有竹 亮介
音楽にエンタメ、ペット、子育て、ビジネスなど、なんでもこなす雑食ライター。『東証マネ部!』を担当したことでお金や金融に興味が湧き、少しずつ実践しながら学んでいるところ。
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