「口座数」「買付額」とともに「売却率」も上がっている!?
ニッセイ基礎研究所研究員が解説!「新NISA」はどのくらい使われているの?
「未稼働口座」を稼働させるために必要なこと
もうひとつ、金融庁の発表で明らかになったのは、未稼働口座の現状。未稼働口座とは開設されたものの買付が行われていない口座のことで、割合としては下がっているものの数は増えている。

出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態~利用状況調査:2025年12月末時点を踏まえて~」

出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態~利用状況調査:2025年12月末時点を踏まえて~」
「20代の未稼働率が30~50代と比べて高いのは、資金がなくて始められない可能性があるからだと考えられます。この点は、NISAが100円から始められることを周知し、“習うより慣れろ”の精神でまずは少額からでも始めてみるという流れをつくれるといいのかなと思います」
30代以上の未稼働口座の要因は、日本証券業協会が実施した2つのアンケート調査の結果から推測できる。「NISA口座を開設したものの、NISA口座で投資しない理由」を聞く設問でもっとも多かった「投資の方法がよく分からないため」と、「新NISA利用でよくなかったこと」を聞く設問でもっとも多かった「何に投資すればよいか分からなかったこと」だ。

出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態~利用状況調査:2025年12月末時点を踏まえて~」

出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態~利用状況調査:2025年12月末時点を踏まえて~」
「NISAはあくまで非課税制度であり、投資判断を後押ししてくれるものではないので、外部からのサポートが必要になるといえます。いざネット証券で口座をつくっても、入金の仕方や商品の買い方がわからずに挫折してしまう人もいると思うので、あえて既に預金口座などを持っている銀行などでNISA口座を開くのもいいかもしれません。窓口で相談できますし、定期預金のように給与が振り込まれる口座からNISA口座にお金を移すこともできます。実際に証券会社のNISA口座よりも、非証券会社のNISA口座のほうが未稼働率が低かったというデータも出ています」

出典/ニッセイ基礎研究所 前山裕亮「新NISAの利用実態【番外編】~証券と非証券で異なる口座利用~」
せっかく開設した口座を放置するのはもったいない。普段から利用している金融機関への変更を検討するのもありだろう。
最後に、今後のNISAに期待することを聞いた。
「新NISAは、資産形成層からすると100点満点の制度だと感じています。一方で、70代以上の資産取り崩し層からすると満点とはいえないかもしれません。長期投資する年齢ではないため、特につみたて投資枠の活用が難しいからです。今後、NISAの制度内容が大きく変わるとは考えにくいですが、70代、80代でも活用しやすいような仕組みができてくると、全世代的に使いやすくなるのかなと思います」
データから新NISAの現状が見えてきたが、大切なのはデータだけを参考にするのではなく、自分の考え方を軸に自分のペースで運用していくこと。改めて、NISAを使う理由や活用方法を見直してみよう。
(取材・文/有竹亮介 撮影/森カズシゲ)



